【完】優しい君の存在。



わたしがS高生になったら、また会える、話せるよね。

わたしはそんな簡単な考えで動こうとしていた。


「あ…、のさ」

申し訳なさそうに陸くんが切り出した。

「富竹さんが退院したら、受験勉強の手伝いしたいんだけど…だめかな?」

えっ?
今何て言った?
耳を疑った。ありえない、受験勉強手伝ってくれるとか!!


「もっ、もちろんOKです!…でも何で?」

正直に聞いてみた。

「えっ、いやっ、その…。後輩になってほしいし!一応俺も受かった人だし!ね?」

焦ったように言う。


あぁ、そっか。




陸くんは自分の知ってる後輩が欲しいだけなんだ。
ただそれだけ。


期待、しそうになったじゃん。…バカ。
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