【完】優しい君の存在。
そして帰る準備をした。

図書館は3.4階にあって、2階まで下りた。

ふと、

「よっし、綾乃!どっちが先に1階に着くか勝負だ!」


「危ないよ、由奈ちゃん!」


という綾乃の言葉も聞かずに長い階段をダッシュする。

今日はヒールじゃなくてスニーカーだから楽勝♪
そう思っていると、


ズルッ、
磨かれた階段にうまい具合に足をすべらせた。

手すりに手を延ばしても届かない。

え、これやばくない?
そんなこと考える余裕も無かった。






最後に聞こえたのは、綾乃の叫び声だけだった。
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