セパレート・ウェイズ
居酒屋で、駆は「酒が飲めない」と言った。車を運転してるから飲めないのと、体質的に受け付けないのだと言った。
だから僕たちは、烏龍茶で乾杯した。

「出会い」に乾杯。

それでも、せっかく居酒屋に来たんだからと、僕たちはありとあらゆるおつまみを食べつくした。端から端まで。肉料理やご飯類には触れずに、あくまでおつまみを食べつくした。

駆は、終始ご機嫌のようだった。
やはりケタケタと笑って、手を叩いて笑って、足をバタバタさせて、ついには居酒屋のなかで横になってしまった。お酒は入っていないのに、駆はとっても楽しそうに笑っていた。

底のない笑顔。

僕も楽しくて、ケタケタ笑った。
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