君という海に溺れる
「いつもね、置いていかれるの」
声に出した言葉は思っていた以上に細く、震えてしまっていたけれど。
それは私の心からの言葉。
昔から変わらない心からの不安。
その思いはいつだって私を必要以上に焦らせる。
「あの子は私の知らない世界を知っていて、いつも私の先を歩いてる」
私より年下であるはずの彼女。
あの子の周りにはいつも、あの子を支えてくれるたくさんの花があった。
そして彼女はその花に甘える方法を知っていた。
少なくとも私にはそう見えているのだ。
悩みを話せる仲間がいること。
ともに笑える友がいること。
不安を曝け出せる空間があること。
それは心の狭い私には、とてつもなく眩しい光景。