君という海に溺れる
それが辛くて悔しくて、何より羨ましくて仕方なかった。
その光景を垣間見るたび、何度となく襲いかかってくる暗い闇。
高波は船を転覆させようと激しさを増して。
朝はやってこない。
「私は、虚しさばかりが勝ってしまう」
それは自分勝手な欲望で、独りよがりな願い。
────────────コポ、
気付けば、私は求めていたものの形を見失って。
それを求めようとすればするほど、私自身が醜くなっていくような気がした。
あの子のように綺麗なままでそれを手にすることは出来ないみたいに。
それでもぐっと手のひらを握って涙を堪える。
人前で涙を流して許されるのは、可愛い子だけの特権だから。