君という海に溺れる
(ここも、大して変わりはしないけど)
あの暗かった世界と。
ただ少し光の色が強いだけ。
私には、眩しすぎると感じるだけ。
開くことに疲れた目蓋を重力に逆らうことなく落とせば、広がる暗闇の世界。
取り残した感情だけがひとりでに頬を伝っていった。
目の端から流れる涙の理由はわからない。
…違う。わからないふりをしている。
もうずっと前から。
理由を知るのはあまりに苦しいような気がして。
それはあまりに孤独を強くするから。
いつかは気付かなくてはいけないそれに、強く目を瞑ったままでいる。
それを受け入れる覚悟を、弱い私はまだ出来ていないから。
今は、考えたくないんだ。
それは、まだ子どもでいたいという幼稚な願いに似ていた。