君という海に溺れる




空には祝福のように虹が架かる。


木漏れ日が映す七色。

二人眺めては心を揺らした。



それが世界の全てだと思っていた二人。


もちろん、そうでないことは十分すぎるほどわかっていたけれど。


それでも二人はこの瞬間が幸せだった。

この瞬間が一番であればそれでよかったのだ。



少女は問う。


"しあわせ?"


その人は言う。


"世界で一番"




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