君という海に溺れる
────────────コポ、
体の奥が呼吸できないと強く悲鳴を上げている。
私は壁に背をつけ、ずるずると崩れるようにその場に座り込んだ。
ぽちゃりと鳴った水の音を求めて手を伸ばしても、あるのは霞む視界だけ。
誰かと一緒にいるのは怖いし辛い。
苦しいし、痛い。
けれど一人でいることにも慣れることが出来なくて。
いつか、誰かにこの手が届くのではないかと遠い月の光に願っては、誰かの一番に憧れた。
(なんて、醜い)
なんて矛盾した感情。
いつからこんな風にしか考えられなくなってしまったのだろう。
もう、思い出すことさえ難しい綺麗な思い。
こんな私を一体誰が引き上げてくれるというのだろうか。