君という海に溺れる
そう言いながら微笑んだ彼の指が、ゆっくりと私の涙を拭う。
掬うように優しく、救うような切なさで。
ボロボロと流れ続ける涙はアダムの指を次から次へと濡らすけど。
それを気にすることなく傍にいてくれるアダムに、私は素直に首を縦に振った。
そんな私に更に笑みを深くするアダム。
「わかるよ、顔見れば」
嘘か本当かどうかなんてすぐにわかるから。
だからもう大丈夫だよ。
「もう、大丈夫。一緒にいるよ」
────────────────コポ、
胸の奥が、言葉には表せない悲鳴を上げる。
苦しい、けれど暖かな悲鳴。
歓喜の悲鳴。
どうしてだろう。
アダムはそうやって私の欲しい言葉ばかりを与えてくれるのだ。