君という海に溺れる
それと同時に自然と身に付いた笑顔。
気付けばそれは外れぬ仮面となっていて。
一体私はどらくらいの嘘を重ねてきたのだろう。
一つ嘘が増えるたび、自らにつけた傷には気付かないふりをし続けた。
そのたびに生まれるこの空を覆い尽くす暗い闇。
光を通さないそれは雨を降らせ、いつの間にか私の全てを蝕む。
誰も見つけてはくれなかった。
誰もが我儘だと顔を歪めた。
すがることは、出来なかった。
「笑うしか、なかった」
振り返ることも立ち尽くすことも、ましてや前に進むことなど出来ない世界。
笑うことでしか、居場所を見つけることが出来なかったから。
悪循環だとわかっていても一人は怖くて。
孤独は嫌で。