君という海に溺れる




貴方が笑えば私も笑えるんだ。

心の底から幸せだと思えるんだよ。


もうずっと前から大好きなその笑顔。

その笑った顔が見たくて、私は何度だって会いに行くの。


きっとアダムは知らない。

私がどれだけその笑顔に救われているのかなんて。

言葉に出来ないほど助けられているなんて。


それは私に笑顔をくれるかけがえのない存在。


ツンと痛む鼻を擦ってしっかりと視線をアダムと合わせれば、また綺麗な笑顔が咲いた。


それが、きっと世界の全て。


この星空の下で海は波の音を響かせる。

優しいその音色を。




「知ってる?笑った顔からは"好き"が伝わるんだよ」


「"好き"…?」


昔、どこかで聞いたことのある言葉のような気がした。




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