君という海に溺れる




ただ、頼ってもらえたなら。

もしそうならば、一番に頼ることが出来るのに。

嬉しいことも楽しいことも一番に報告できるのに。


そんな、当たり前のことを当たり前に出来ることが羨ましかった。

私にはそんな相手が見つからなくて。


いつも誰に何を伝えたらいいのかわからない。

悲しみも幸せも誰にだったら伝えていいのかわからない。


どんなときもどんな相手も、私は二番手三番手で。


一方通行だと、気付けなければいいのに。

知らないふりが出来たらよかったのに。


重ならない思いがとてつもなく虚しかった。

狭い交友関係だからこそ、寂しくて仕方なかった。


そしてまた何でもないふうに笑ってしまうから。

あの景色はどんどんと遠ざかっていくのだ。




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