君という海に溺れる
「俺はその海の中で生きてるんだ」
それはとても純粋な思いで。
そして依存のようにも見えた。
私が抱く思いと同じ。
しかし、正反対のそれ。
私は、この思いが生きることを苦しめた。
それは足を縫い付ける鎖となって歩き出すことを妨げる。
後ろに迫る暗い夜にただ膝を抱えて怯えることしか出来ない。
けれどアダムはそれを未来への舵に変えた。
船いっぱいに帆を張り大きな風を受けて真っ直ぐに進むことを決めたのだ。
その先にある幸せの在処を目指して。
きっとそれを【勇気】と呼ぶのだろう。
闇を恐れず未来を夢見る力を、そこに行くための舵こそが【勇気】という名前なのだろう。