君という海に溺れる




今回のアルバムも我が家には二枚存在することになるらしい。




(まぁ、いつものことか)




いろんな思考や好みが正反対の私たちにある数少ない共通点。

それがあの人たちなのだ。


あの人たちのことだけは、あの人たちの音楽だけはいがみ合ったりしない。

喧嘩になることも滅多にない。

ただ、その音楽に身を任せるだけ。


そう考えると、改めて凄い人たちなのだと思う。

どれほどの人を魅了するのだろうと。


そしてやっぱりこの人しかいないと思い知らされるのだ。


テレビに映るあの人をボーッと眺めながらそんなことを思っていると、私の斜め前に座っていた妹が再び口を開いた。




「この新曲のPV、この辺で撮影したんだって」




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