君という海に溺れる
暗い海の底に沈んで、太陽の光さえ忘れてしまった幽霊船のように。
外からは見つけることすら難しくなってしまった。
そして、ポツンと大きな穴を開けるように私の中に置き去りにされてしまったのは両手では抱えきれない孤独と溢れてしまいそうな寂しさだけ。
その忘れ物は日に日に存在感を増していくのに、取りに戻るはずの待ち人は来ない。
塞がれた耳にはどんな悲鳴も届きはしない。
『大学生になれば友達が出来るよ』
頭の後ろの方で響く、昔誰かに言われた言葉。
そんなことはないと、強く思った。
新しい環境が新たな交友関係を生むとは限らないと思う。
それは私自身の性格に問題があるのかもしれないが。
いや、きっとあるのだろう。
顔を上げることの出来ない私に。
変わることを恐れている私に。