君という海に溺れる
例えば、友達が欲しいのかと質問されたとして。
答えはノーではないけれど、イエスとも言い難いのが本音だ。
昔から友人というものをつくるのは苦手だった。
上手く出来たことは今まで一度もない。
例え出来たとしても、その輪の中で私が上手くやっていけることは殆んどなかったように思う。
それをこなすには私には乗り越えられない壁(コンプレックス)が多すぎるから。
友達100人なんて夢のまた夢。
寂しいのは嫌い。
仲間はずれは嫌い。
だけど、人との関わりには必要なことが多すぎて。必要な仮面があまりに多くて。
重なりすぎた仮面はいつしか私の呼吸さえ奪っていった。
そしていつの間にか消えた自由の翼。
片方の翼じゃ人の波を上手くは通り抜けられない。
立ち止まるたび、触れる水に溺れてしまうから。