君という海に溺れる
(本当、面倒臭い)
誰より、何より、この私自身が。
成長することを拒んでいる私自身が。
面倒だと口では言いながら、寂しいという感情に負け孤独だと嘆いている自分自身が誰より何より面倒臭いと思う。
(どうして私は私なんだろう)
あてのない質問はいつも私の心の内に燻って。
じわりじわりとこの身を食らい尽くすのだろうか。
解決することはきっとないとわかりながらも必死にその糸口を探す。
(あぁ…本当、面倒臭い)
そう思いながら、首に引っ掛けたままだったヘッドフォンを耳に当てた。
そして今朝と同じように耳に慣れた音楽を流し込む。
いつもと同じあの声を。
───────────────コポ、
少しだけ、肺に冷たい空気が触れた気がした。
今はただ、その声に揺られて。
(身を委ねていたい)