君という海に溺れる
暗かった海底に差し込む太陽の光。
その眩しい木漏れ日に目が眩みそうになる。
でも、その柔らかな笑顔が見たくて。
必死に伸ばした腕。
彼女からシロツメクサの冠を受け取って、そっと自分の頭の上に乗せた。
太陽の光に照らされたそれは本物の冠のように輝く。
似合う?とこの日初めての笑みを浮かべて尋ねれば
「うん!おひめさまみたい!」
いつまでも望んだ純白の笑顔が俺を迎えた。
───────コポ、
(あぁ、そっか)
俺はこれが見たかったんだ。
木漏れ日に揺れる、花のような笑顔。
これが見たくて、歌い始めたのだから。
「…ありがとう」
聞こえた呼吸音に、海を見つけたのだと気付いた。
それが全ての始まり。
(そして僕は生まれた)