君という海に溺れる
あの日から、俺は彼女と時間をともにすることが多くなった。
いつ会おうと約束をしたことはなかったけれど、俺が会いたいと思うとき必ず彼女はそこにいて。
俺の姿を見つけては嬉しそうに微笑んでくれるのだ。
その姿が可愛くて、俺の頬はいつだって自然と緩む。
気付けばいつも早足であの公園に向かっていた。
そして知らずのうちに変化した生活スタイル。
相変わらずバンドは続いているし、アルバイトもしてる。
けれど、夜遊びだけは彼女と出会って格段に減った。
最近は練習やバイトが終わればそのまま帰宅している俺。
そんな俺の変化にバンドのメンバーは不思議そうな顔をしていたけれど、理由を教える気にはなれない。