君という海に溺れる




あの子との時間は俺だけの秘密。

誰にも教えたくない。

独り占めしたい、俺だけの幸せ。




(朝、起きれなくなっちゃうからね)




あの子が待っているかもしれないと思ったら、いつまでも寝ているわけにはいかなくて。

そうなると、自然と夜出掛けることも減っていって。

今は随分長いこと遠ざかっていた、規則正しい生活というものをしている。

そんな自身の変化に驚いたけれど。

それでも彼女のために変わっていくのを嫌だとは思わない。

そんな自分に笑いが込み上げた。




(あんな小さい子なのになぁ…)




彼女が喜ぶことをしてあげたくなる。

俺が、笑顔にしてあげたくなる。


彼女の笑みは何か特別な力を持っているのだろうか。




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