君という海に溺れる
そんな疑問を抱えたまま、俺はちらりと横に座るあどけない少女に目をやる。
そこでは、ピンクのワンピースの裾を風で揺らした彼女が両頬に手をあてて嬉しそうに笑っていた。
「えへへ…なかよし!」
その顔を俺に向けて、太陽のように眩しく笑う君。
あぁ、そうか。
日溜まりに守られていたから、俺は笑っていられたのか。
この感情を隠すことなく素直なままで。
この子を思う気持ちがそうさせるんだ。
理解してしまえばあっという間で。
俺と彼女は顔を見合わせて笑う。
大好きだよと言葉を交わしながら。
肌に触れた髪が、その存在を確かなものにしていった。
「わたし、おねえさんといっしょでしあわせだよ!おねえさんは、しあわせ?」