君という海に溺れる
そう首を傾げる彼女は誰よりも幸せそうで。
まるでこの世の幸せを独り占めしたような顔をしている。
屈託のないその笑みが。
大好きだと紡いでくれるその声が。
全部全部、大切なんだ。
「もちろん、幸せだよ。世界で一番」
だから、君に負けないくらいの笑みで答えよう。
その笑顔が絶えず続くように。
そんな午後が何より幸せだった。何気ない時間が宝物だった。
「そうだ。新しく作った歌があるよ」
「あたらしいおうた?」
「そう。新しいお歌」
君のために作ったんだ。
そう言って奏でた音をどうか忘れないでほしいと願う。
君のために作った音色だから、どうか大切だと知っていて。
俺の想いがこの歌にのっていつまでも届くように。