君という海に溺れる




鳴り止まぬ雨の音に消えてしまわないよう。

彼女のなかの雨雲が晴れるように。


どうか、出来るなら降り続くこの雨を止めて。

あの柔らかな木漏れ日を連れてきて。


雨は、彼女には似合わないから。

彼女を悲しい気持ちにさせるから。


そんなものいらない。


だから、どうか。


どうか叶うなら今すぐに、俺の海に光を返してくれ。




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