君という海に溺れる
どうか、私の辿り着いた答えが間違っていませんようにと願いながら。
「…それとも…"おねえさん"のこと?」
「───────!」
緩やかに音になった私の言葉に、アダムの体がびくりと跳ねる。
そしてその大きな瞳を更に大きく見開いた。
(…やっぱり…)
やっぱりそうだったのか。
彼のその反応が私の予想を確かなものにしていく。
辿り着いた答えが真実なのだと教えてくれた。
アダムは覚えていたのだ。
初めから、全部。
あの夢は、決してただの夢なんかではなくて。
あれは全て、大切だったあの日々の記憶。
海の奥底に隠した宝物。
「覚えて、たの…?」
微かに震えたアダムの声に、私は鞄の中にしまってあった手帳を取り出す。