君という海に溺れる





降り注ぐのはあの日紡がれた曲。

ずっと求め続けた甘い甘い永久の旋律。



その出会いは小さな公園で。


幼い彼女は綺麗な声と瞳を持った人を見つけた。

綺麗なその人は真っ直ぐな瞳を持った少女に出会った。


交わした約束は二人の胸の奥の奥に大切に残されて。

時に見失ってしまいそうになったけれど、決して消え去ることはなかったそれ。



"だいすきだよ"



心のそこから渡したそれは魔法の言葉。

二人と時間を繋いだ大切な呪文。


それは今も変わらず君に伝えたい想い。


気付けば空には虹がかかって。

その麓には大きな宝物。

いつの日も変わらない君の微笑み。


私の大切な帰る海。



────────コポ、



波間に揺れて、この音と共に私は生きている。





After story
(だいすきの次は)
(どんな言葉を君に送ろう)
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