君という海に溺れる
さらに言えばその情報を聞いて、今回はどんなアルバム曲が入っているのだろうと一人で散々盛り上がった気もする。
…いや、確実に盛り上がっていた。
(うっかりしてた)
それなのに何故忘れていたのだろう。
絶対に忘れずに予約しようと思っていたのに。
フライングゲットしようと意気込んでいたはずなのに。
ここ最近気分が滅入ることが多かったせいか失念していた。
持っていた携帯電話を鞄から取り出し日付を確認すれば、発売日は既に二週間後。
こんなに近くなるまで気付かなかったことに一瞬気が遠退いた。
愕然としながら、そのパネルに映るあの人たちに目をやる。
ドクン
瞬間、心臓が跳ねた。何の前触れもなく。
同時に胸の中がざわざわと波を打って。