財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
龍は不機嫌丸出しで言った。


「何って遊びに来たんだけど迷子になって、たまたま開いてた窓から入ったばかりだよ。」


「姫のやつ、逃げやがった。」


龍の呟きなど無視して侑は


「でさ、他の奴ら捜すの、手伝ってくれない?」


満面の笑顔でそう言った。


     ****


一方美利亜は校庭のど真ん中で


「離して。」


「なんで?俺はきみを捕まえてこいって言われてるんだけど。」


慎也と言い争っていた。


「いいから離して。」


「って言ってるけどついてきてるよね。」


「だってこれ。」


美利亜の視線の先には手。


しかも片手で美利亜の両手首を束ねてしまっていた。


とても美利亜1人じゃ取れそうもなかった。
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