財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「ぜんっぜん人の話、聞いてないでしょ。」


美利亜は呆れたように言った。


「何ブツブツ言ってんだ!慎也、早くしろ!」


「横取りは許しませんわ。」


「こっちは文化祭なんだから早くしろ!」


朔、緋奈子、龍は3人同時に喋ったので2人には聞き取れなかった。


水月だけはいかにもイラついた声で


「美利亜、みんなに迷惑かけたらダメだろう?」


目だけ笑ってない笑顔でそう言った。


「あ゛~も~、ぐずぐずしてんじゃねぇよ!」


美利亜は真後ろで声がしたと思ったら


「きゃぁ!」


朔の腕の中にいた。


「ちょっ、下ろして!」


美利亜は暴れようとして気づいた。


慎也がまだ美利亜の手を掴んでいたことに。


「朔、俺まだ決めてない。」
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