財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
入ってきた窓のそばにギターが置いてあった。



「あっ!あったよ、涼。」



「うむ。こんなところに置いてあったか。」



涼と呼ばれた長身なほうの男が置いた覚えもないように答えた。



「ねぇ、愛梨栖。その子、どちら様?」



涼より頭半個分背の低い男が愛梨栖に向かってそう言った。



「あっ!ごめん、ごめん。美利亜、右が戸田涼(とだりょう)で左が太陽優(うずひすぐる)。で、2人とも、この子は。」



「真目美利亜です。」



美利亜はそう挨拶してから4人を見た。



いろいろあってよく見てなかったが、廉は背が低く、かわいい感じ。



涼は常に刀を持ち歩いているらしく、お侍みたいな感じ。



優は整った顔に気品があり、愛梨栖は見た目かわいいのにちょっとさばさばしている。



そしてみんな、似たような服装をしていた。



美利亜が何か言おうとしたとき、



「やっぱり愛梨栖と真逆だな。見た目も性格も。」



「うわぁっ。龍、そういうこと本人の目の前で言う?」



「だってそうだろう。この礼儀正しさといい、立ち振舞いといい。」



龍はなぜかどや顔で言った。



それが愛梨栖の勘に触ったらしく、愛梨栖は龍をにらみながら



「何それ?まるでアタシが…。」
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