財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「まぁまぁ、2人とも落ち着くんだよん。」



愛梨栖と龍の言い争いに廉が割って入った。



「ねぇ、うずひってどういう漢字?」



「それはね」



美利亜の問いに答えようとした愛梨栖を優が遮った。



「当ててみ。」



「正解すんのは無理じゃ…。」



「それで正解したらすごく頭いいってことになるよん。」



美利亜は少し考えてから



「太陽(たいよう)って書くの?」



誰も答えず、唖然としていた。



「初…じゃね?」



「よくわかったね。」



「なんとなくだよ。」



美利亜が照れて言ったらドアのほうから



「おーまーえーらー。何やってるんだぁ!」



と先生に怒らたが



「忘れ物取りに来た。」



サラリと返す龍。



「だったら先生に言ってからにしろって毎回言ってるだろ!」



「めんどくさい。」



と言いつつさりげなく窓からみんな出ていく。



訳がわからず突っ立っていた美利亜を置いて5人は走って逃げた。



「あっ!こらーっ!待てぇ!」



先生の声も聞かず、あっという間に5人は見えなくなった。



先生は舌打ちすると美利亜に向き直り、



「きみ。」
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