財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「無理。あんなの送りつけてきたヤツと話したくない。」


美利亜は右手で左手の肘辺りを掴みながら言った。


「勝手に決めつけないでくださる?」


「よっ!」


突然、緋奈子の後ろからこの場に合わない声がした。


すると緋奈子の後ろから背の高い人が顔を覗かせた。


「昴、いつこっちに来たんだよ。」


「ん?30分前くらいかなぁ。」


「誰?」


美利亜は警戒心をあらわに聞いた。


「桜井昴(さくらいすばる)。愛梨栖の従姉妹です。」


昴は緋奈子を押しのけると


「きみが美利亜ちゃん?」


そう言って美利亜の目の前に来た。


「そうですけど。」


「優がメールで言ってた通りだ。かわいい~。」


昴は美利亜に抱きついた。
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