財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
そう低い声で言われ、怒られると思っていた美利亜だったが



「あの5人とは付き合わないほうがいいぞ。ろくなことがない。」



「へっ?」



「それから、帽子。そんなに深く被っていたら前が見えないだろう。危ないからやめなさい。」



そう言って先生は立ち去った。


「誰もつっこまなかったのに…。」



美利亜は1人でそう呟くとさらにハットを深く被った。



     ****



その頃、逃げた5人は



「あ゛あ゛ー!」



「んっだよ。いきなり叫ぶなよ。」



学校からあまり離れていない公園に来ていた。



「美利亜、置いてきちゃった。」



「あー、逃げることに集中してたしな。」



「でも、どうしよう。嫌われちゃったかな?」



「それはないと思うよん。」



そう言うと廉は近くのコンビニで買ってきたアイスを渡した。



「ただ、なんであんなに深くハットを被ってたんだろうね。」



「やっぱ優も気になった?」



「やっぱってことは龍も?」



「みな、同じことを思っているだろう。」



涼は腕組みをしながら言った。



「でも、その訳は美利亜しか知らないしね。」



「あ~あ、でも、残念だったなぁ。」
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