財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
イヤな予感がした美利亜は手で振り払おうとしたができなかった。


「待て!薬を飲ませたら今すぐお前らをミンチにしてやる。」


「その前にお前がそうなるぞ。」


「待って!お兄ちゃんを殺さないで。」


美利亜は震えた声で


「うちから大事なもの、奪わないで。」


そう言ってさらに続けた。


「お兄ちゃんももうやめて。」


「そういうわけにはいかねぇだろ。妹連れ去られるの黙って見てろってか?」


玲は苛立ち気に言った。


「大丈夫。うちは絶っ対連れ去られないっ!」


言い終わるのと同時に美利亜は勢いよく前屈みになった。


「えっ?」


朔は投げられたように屋上の床に叩きつけられた。


「いってぇー!」


「朔!」


「てめぇ、よくも朔をっ!」


大輝が美利亜に向かって銃を向けた。
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