財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「走るぞ!」


聖夜の一言でみんな一斉に駆け出した。


そしてしばらく進むと


「あった!出口、あったよ。」


水月は梯子を登ると天井を開けた。


出た先は


「火の粉飛んでくるから気をつけて。」


燃えているビルのすぐそば。


「早く行って。」


水月は梯子を登り終えた龍たちを促した。


最後の瑚が梯子を登り終えたとき


「ビルが崩れるぞ!」


誰かが叫んだ。


同時に水月と瑚は反射的に走っていた。


そして水月のすぐそばにビルが崩れてきた。


水月と瑚はとっさに腕で顔を庇った。


が、火の粉が飛んでくることはなかった。


「兄さん!」


なんと聖夜が着ていたはずのロングパーカーを広げて庇っていた。
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