財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「病院に行こう。迎え呼んでくるよ。」


聖夜は後ろを向いて固まった。


「父さん…。いつもの人たちは?」


「内通者だったからね。処分したよ。それより水玲、行くぞ。聖夜、お前は戻ってろ。」


父―和月(かずき)は命令口調で言った。


「でも…。」


「いいから戻りなさい。母さんは大丈夫だから。」


引き下がろうとしない聖夜を水玲は止めた。


「わかった。」


聖夜はうなずくと急いで自分のオフィスに向かった。


そして自分の部屋のドアを開けると


「水月、玲、仕事だ。母さんの行方を調べるぞ。」


そう言った。


聖夜の有無言わせない態度から何かを感じとった2人は


「わかった。すぐやる。」


そう言って水月はパソコンを立ち上げるとUSBを差し、カチャカチャと何かをやり始めた。
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