財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
半分投げやりに応え、龍はカウンターへ行った。



「ねぇ、みんなさぁ、自覚ないの?」



美利亜はおもむろにそう言った。



「何が?」



「ものすっっっごく注目されてるって。」



美利亜は周りの目を気にしているのか、さっきからハットを深く被り直している。



「あぁ、それ?気のせいでしょ。」



愛梨栖は適当に受け流した。



「いや、気のせいじゃないから行ってるんでしょ。」



美利亜はさらに食い下がろうとしたら



「それは俺も気になっていた。」



涼が口をはさんだ。



「ほら、涼くんだって言ってるじゃん。」



「悪口を言わせっぱなしでよいのか?」



「いや、そっちじゃな。」



美利亜が言いかけたら龍がお盆を持って戻ってきた。



「なぁ、さっきから聞こえてる。」



龍の言葉を遮って愛梨栖が



「あぁ、悪口ね。しかも美利亜の。マジ腹立つ。」



自分の悪口と自覚していなかった美利亜は



「うちのだったの!?」



そうつっこんだが無視された。



「確かにこのままはよくないよね。」



「そういう優は何かいい案あるの?」



「ない。」



きっぱりと言った優。
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