財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「はい。みんなこっからのほうが近いんで。」


「そっか。気をつけて帰れよ。」


8人はバラバラの方向に帰っていった。


     ****


次の日の朝。


美利亜はベッドの軋む音で目が覚めた。


ベッドの縁に廉が手を置いて美利亜の顔を覗き込んでいた。


「何?」


「姫、なんで昨日あんなことしたの?」


廉は目だけ笑ってない笑顔でそう言った。


「だってうちが厄災の子だから。血まみれだから。」


美利亜は廉から目を反らしながら言った。


「ぼくらにとっては関係ないことだよん。」


「うちにとっては関係あるの。これ以上みんなを苦しませたくない。だから。」


美利亜の言葉を遮って廉は


「学校には行かない。そんなことみんなが許すとでも思ってる?それとも。」


そう言って廉は美利亜に顔を近づけた。
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