財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「いや、気をつけろ。」


「わかってるって。」


そう言って美利亜たちはバタバタと病室を出た。


     ****


車の中で。


「えぇ!廉くんがお見合い!?」


「初耳なんだけど。」


愛梨栖は戸惑ったように言った。


「正しくはそのご縁談を断りに行かれたのです。」


「あぁ、そっちね。」


愛梨栖は納得した。


「元々廉さまのご意志ではなかったのです。」


「ふーん。で、先方は?」


龍はあまり興味なさそうに聞いた。


「桐島セキュリティー会社のご令嬢です。」


「廉も思い切ったことしたね。経済界を揺るがすほどの騒動じゃん。」


愛梨栖は感心したように言った。


「で、今廉はどこに?」


「おそらく桐島社にいると思われます。」


柊の言葉に龍は


「この場合、状況があれなだけに…。」


そう呟いた。
< 257 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop