財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
相手は悪気がなさそうに謝った。



「なっなんでここにいるの?」



美利亜の声はわずかに震えていた。



「あら、誰かと勘違いしてません?わたくし、あなたのような人、知りませんわ。」



「あっそう。知り合いじゃないならいっか。」



ドサッと音がして、美利亜の視界から相手が消えた。



愛梨栖が蹴り落としたのだ。



そして愛梨栖はそばにいた人からカップを奪うと中身をかけた。



「あっついですわ。何をするんですの。」



「先にやってきたのはそっちでしょ?今度やったらただじゃすまないよ?お・ば・か・さん。」



そう言って愛梨栖は美利亜の手を掴み、クラブハウスを出た。



愛梨栖は無言でどんどん進んでいき、学校を通りすぎて誰かの家にきた。



「入って。そのままじゃやばいでしょ。」



玄関をあけ、先に愛梨栖が入り、他の5人がその後をぞろぞろと入った。



「ここ、愛梨栖の家?」



美利亜は愛梨栖に引っ張られるように階段を登った。



「そうだけど。とりあえず、着替えて服洗わなくちゃね。」



「えっ!いいよ。そこまでしてくれなくて。」



「染みになるでしょ。いいから早く。」



愛梨栖は2階の1室に美利亜を無理矢理入れ、自分も入ってからドアを閉めた。
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