財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「覗かないでね。着替えたりするんだから。」


「はいはい。覗きませんよ。」


「龍はちゃんと見張っとくよん。」


「見張ってないで隣の部屋に行って。不安だから。」


「はいはい。」


龍はそう適当に返事をして、4人で隣の部屋に行った。


「えっと、とりあえず脱いで。手当てしてあげるから。」


「えっ!いいよ。そこまでしなくて。家すぐそこだし。」


「いいから、早く。」


と言った途端、愛梨栖のケータイが鳴った。


「あ~も~。誰だよ。こんなときに。美利亜、ちょっと待ってて。」


そう言って愛梨栖は部屋から出た。


そのすぐ後、美利亜は静かに部屋を出て階段を下り、愛梨栖の家から出た。


そのまま学校まで走り、立ち止まった。


「なっなんでなの。」


「何が?」


横を見るといつの間にか龍が立っていた。


「なんでここにいるの?」


「なんでって出てくところ見えたから。」


美利亜は絶句した。


その隙に龍にハットを取られた。


「あっ!」


「なんでこんなに深く被ってんの?つーか前髪そんなに伸ばしてて邪魔じゃね?」


なんと美利亜は顔が半分隠れるくらい前髪を伸ばしていて、誰が見ても邪魔そうだった。
< 30 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop