財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
言いながら美利亜はハットを取って優に渡し、前髪を縛った。


「私たち、寝てないわよ。」


「あんた、目悪いんじゃなくて?」


「黙ってくんない?耳障り。」


「はぁ?もう1回言ってみろよ。」


「同じことは2度言わない。つーか、もっと相手考えたら?」


さっきとは明らかに違う目付きをした美利亜に愛梨栖たちは戸惑いの色を浮かべた。


「美利亜?」


「さっきから黙って聞いてれば、目障りだのうざいだの、てめぇらに人の価値決める権利あんの?」


「はっ?まじで喧嘩売ってんのかよ。」


1人が美利亜に木刀を振り下ろした。


が、美利亜は片手で掴むと木刀ごと相手の腕をねじり、バキッと木刀だけを折った。


「ちょっ、やばいよね?」


「でも名乗らないのが気に入らない。誰だよ!」


「知らない奴に名乗らなくてもいいでしょ。」


「こっちは名乗ったんだからあんたも名乗るべきでしょ。」


と言った途端、ガチャと美利亜の家のドアが開いて中から水月が出てきた。


「あ~あ、やっぱ言っとくべきだったか。」


「何がですか?」


「愛梨栖ちゃん、それからその他男子3名、美利亜を刺激するとこうなるから。」


「えっ?」
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