財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
涼が右手に持ったメガネのレンズにひびが入っていた。


さっき美利亜が龍を平手打ちしたときに飛んでいったのだ。


「えっ?まぁいっか。安いしダテだし。」


「じゃあ俺が責任とるよ。」


龍がそう言って途端、予鐘が鳴った。


「席つけー。明日からはちゃんと来いよ。有沢廉、戸田涼、太陽優、椎名愛梨栖、安谷屋龍。」


先生はそう言って出ていった。


「ねぇ、龍。早く行こうよぉ。」


それを待っていたかのように女子が龍の手を掴んだ。


が、龍は振り払い


「パス。これから姫の護衛がありますので。」


「はぁ?何?護衛って。」


「昨日の奴らが仕返ししてこないとも限らないじゃん。」


「いや、あんたといるほうがかえって危険な気がするからやめとく。」
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