財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「でも。」


そう言って龍は美利亜の右手を掴んだ。


「いっっ。」


「怪我、治ってないのに1人にするわけねぇだろ。」


と押しきられてしまった。


     ****


1時間目は化学だったので教室から移動する途中で


「ねぇ、うちら、ものすごく目立ってない?」


他のクラスの女子と男子が騒いでいるのだ。


そんな美利亜の疑問を無視し、


「俺らが1限から出るなんてありえねぇよな?」


「俺はいつも出ているぞ。」


「人の話、聞いてる?」


「まぁ、一応。つーか気のせいじゃねぇの。」


はぁと美利亜はため息をついた。


「こんな常識外れな人たちだったなんて…。」


美利亜はさらにため息をつきたくなった。
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