1/2な彼
「そうしたら『憧れだと思ったから、軽い気持ちで』・・・と言ったんです。」
「そ、れって・・・」
「ボクは、自分のその時の感情を‘憧れ’だったと思い込むようにして、
自分を守ったんです。‘憧れ’のせいにして本当はメアリー先生のことは‘憧れ’として
みていたと・・・」
ジェラルド先生も、私と同じ思いをしていたんだ・・・
「今でもまだ引きずっていて、国永さんや他の女の子に対して‘憧れ’という言葉で拒絶して、
自分が傷つかないようにしているんです。
どうせ、‘憧れ’で‘教師’と‘生徒’だから。
・・・そうすれば、生徒たちも、一時の感情だったと思い
少しでも心は傷つかないだろうと・・・
そうやって過去を引きずって相手の気持ちに向き合わず、逃げている・・・
ボクは臆病者だ・・・」
そう言って、私の手を離した