犬の城
2
彼にはもはや、祖父の怨念は憑いていなかった。そのかわり、復讐という新たな怨念が、彼の指先にまで、その色を染めていった。
あれは事実だ。
私の父は、犬となって生きていた。
私は犬の子だった。
メラメラと体が燃えたぎるのがわかった。
復讐に彼は全身を取り込まれていた。
彼は王の証であるマントを手にとると、それを口に運び、びりびりに噛みちぎった。
それを終えた彼の口からは、舌がだらりと垂れていた。
それは城の滅亡の幕開けだった。
あれは事実だ。
私の父は、犬となって生きていた。
私は犬の子だった。
メラメラと体が燃えたぎるのがわかった。
復讐に彼は全身を取り込まれていた。
彼は王の証であるマントを手にとると、それを口に運び、びりびりに噛みちぎった。
それを終えた彼の口からは、舌がだらりと垂れていた。
それは城の滅亡の幕開けだった。