犬の城

その死体の奥に目をやると、痩せきった体の男が首輪を付けられ、鎖に繋がれ、四つん這いになりながらも、
「うっ、うっ。」
と息をしていた。男はたしかに息をしていた。しかしとても生きている人間とは思えない。傍らに横たわる死体、そちらの方がよっぽど人間にみえる。その姿はまさに犬、であった。
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