犬の城

16

犬が照準を合わせ、まさに噛みつこうとした、その時である。


犬は、王は、何かやんわりとしたものが全身を包むのを感じた。とても心地のよい、何かだった。
その、何かによって、王は次第に正気をとり戻していった。
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