犬の城
17
「エミル…」
王は静かに囁いた。
エミルはほっと安堵の溜め息をついた。
だが、彼女は甘かった。
犬は抗っていた。そして、王を包んでいた心地のよい何かを、すぐさま一蹴してしまった。
さざ波を消すが如く、復讐の高波によって。
王は静かに囁いた。
エミルはほっと安堵の溜め息をついた。
だが、彼女は甘かった。
犬は抗っていた。そして、王を包んでいた心地のよい何かを、すぐさま一蹴してしまった。
さざ波を消すが如く、復讐の高波によって。