霊感少女
沙季side

どうして泣いたのかなんて


本当はわかっていた


鉄が除霊した幽霊の葬式の姿が見えたんだ


どうしても、お父さんと重ねてしまう

鉄に言えなかったのは

たぶん、私のプライドが邪魔をしたのだろう

私の頑固で強がりな性格が・・・。

本当は声を出して泣きたい

本当は大声で泣きたい

でも、あなたが消えたことを認めてしまうようで

あなたがもうこの世にいないっていうことを

どうしても認めたくない

わかってる!!

どうしても認めないといけない事を

わかってるんだ・・・。

でも、この心に負った傷は







そう簡単には癒されない。



鉄、ごめんね

本当はあなたの前で素直に泣けたら

どんなにいいだろう。

ごめんね

どうしても、

泣けないんだ

自分の弱い姿を

見られたくないって気持ちがあるからなのかな…?



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