いじわる彼氏
-ハッ


「あ、あ、ありがとうございました!!」

私の大声に驚いたのか、彼の目は大きく開いている。

「うん、あのさ」

「へ…なんですか!?」

「君のアドレス教えてくんない??」

 え…何言ってるの!?

 私たち初対面ですよ!?

 いくらイケメンでも見知らぬ人だしぃ……

 どうしよう…

「どうするの??美紀」

由香利がおどおどしながら焦るような口調で話しかけてくる。

 …どうしよう……

「駄目??」

彼は私を壁に押し付けて、私の顔に顔を近づけてきた。

彼の大きな手が私の頬に触れる。

「ひゃっ…」

 変な声だしちゃったあ!!

 は、恥ずかしい……

「駄目かなあ…??」

彼は笑いながら唇を近づけてくる。

「い…いいです…ぅ…」

「ありがとっ」

彼は嬉しそうニコッと笑い顔を離した。

私は自分のアドレスを紙に書いてその紙を彼に渡した。



「じゃ、夜メールすんね、かわい子ちゃん♪」

 
 …ほええ…

 かっ…かっこいい…

 じゃなくて!!何よあの人!!

 変態よおお!!

「美…紀……」

由香利がポカンと口をあけたまま私を見ている。



「アハ…アハハ…ハァ…」


 ハハ…もう笑うしかねえやい
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